下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤は時間とともに進行します

下肢静脈瘤とは

日本人の国民病とも言える

下肢静脈瘤は日本人の10人に1人(妊娠・出産を経験した女性の場合は2人に1人)の割合で発症する病気です。

下肢静脈瘤に罹患すると、下肢(いわゆる足のこと)の血流をコントロールする弁に異常が認められて、本来心臓に送る必要のある血液が逆流してしまいます。それによって、静脈が風船状、または瘤(こぶ)状に膨らんでしまう症状が出ます。

足のコブ血管が一番多い症状

このような下肢静脈瘤の症状は、初期の段階であればマッサージによる治療や生活習慣の見直し・改善などによって回復できる場合が稀にはあるものの、放っておいても自然に治ることはありません。

初期症状と重症化症状

命に別状はない症状であるとはいえ、下肢静脈瘤に罹患したまま放置しておくと、ふくらはぎのむくみ、皮膚の黒ずみや変色、こむら返りといった初期症状が続きます。さらに症状が進んでくると、最悪の場合、皮膚の潰瘍が起きて血管に穴が開き、出血する可能性もあります。

このように、下肢静脈瘤は深刻な症状に進行する可能性もあるため、気になる症状があるときは、速やかに下肢静脈瘤を専門に取り扱うクリニックへ受診することをおすすめいたします。

下肢静脈瘤が生じるメカニズム

血液の逆流を防止する弁の機能に障害が生じることが下肢静脈瘤の主な仕組み

逆流防止弁が壊れることで発症

私たちの体内には、心臓から出た血液を全身に送り込むために活動する「動脈」と、酸素や栄養素を体内に運び終えた血液を心臓に戻すために活動する「静脈」のふたつの種類の血管があります。下肢の静脈に関しては、筋肉を収縮させるときに起こる筋ポンプ作用を利用して心臓に血液を戻しています。しかし、このときに重力に逆らって血液を心臓まで戻す必要があるため、「静脈弁」と呼ばれる弁が逆流防止のはたらきをして、血液の流れを正常に保ち続けています。

下肢静脈瘤に罹患すると、逆流を防止している「静脈弁」が機能障害を起こします。それにより、血液が逆流して血管内に溜まり、風船状、または瘤(こぶ)状に膨らむことで足に負担をかけ、様々な症状が発症します。

下肢静脈瘤の原因

下肢静脈瘤の主な5つの原因とは

下肢静脈瘤がみられる場合の原因として、代表的なものを5つご紹介します。下肢静脈瘤の症状がみられ、以下に少しでも当てはまる場合には、医師の診察を受けてください。

加齢および老化によって体力・筋力が低下している

下肢静脈瘤は50代前後から発症する割合が上がってくる病気であると言われており、加齢および老化によって体力・筋力が低下することが主な原因とされています。
そもそも、逆流防止のために存在する「静脈弁」は弾性線維とコラーゲンによって構成された軟部組織(強度が高くない組織)であるため、加齢および老化による機能不全が起こりやすい部位なのです。

立ち仕事によって下肢の筋ポンプ作用が低下してしまう

「美容師」「販売員」「調理師」「教師」「キャビンアテンダント」など、長時間の立ち仕事が必要な職種の方は、下肢静脈瘤の症状が出やすいとされています。その他、1日に10時間以上の立ち仕事を行う職種も同様です。
長時間の立位姿勢によって、逆流を防いでいる「静脈弁」に、血液が重力によって負担をかけ続けるため、「静脈弁」に疲労がたまり、機能不全を起こすことで、下肢静脈瘤を罹患する可能性が高まるのです。

妊娠や出産を経験したことで下肢静脈に負担がかかる

妊娠および出産を経験した女性のうち、実に2人に1人が下肢静脈瘤を罹患する可能性があるとされています。これは、妊娠・出産時に下肢静脈に負担がかかりやすいためです。
さらに、妊娠中のホルモンバランスによって普段よりも静脈が柔らかくなります。また、腹圧上昇で「静脈弁」に負担がかかる場合もあります。(※ただし、妊娠時に発症する下肢静脈瘤は、例外的に自然治癒される場合があるため、出産を終えてから半年程度の経過観察が必要です)

両親など、血縁者の中に下肢静脈瘤の罹患経験者がいる

下肢静脈瘤は遺伝によって発症する場合があります。具体的には、ご両親のうちのどちらかが発症経験がある方の場合は45%の確率、ご両親ともに発症経験がある方の場合は90%の確率で罹患するなど、非常に高い確率で発症することが確認されています。
遺伝によって下肢静脈瘤が発症する可能性をお持ちの方は、「静脈弁」の機能が生まれつき弱いこともあり、30代や40代など、比較的若い段階で罹患する場合もあるため、注意する必要があります。

その他

下肢静脈瘤は、「重度の肥満による血行不良」や、「便秘による腸の拡大による静脈圧迫」などによっても発症する可能性があるため、心あたりのある方は注意してください。

下肢静脈瘤の代表的な症状の分類と治療方法

下肢静脈瘤の代表的な症状は以下の通りです。ひとつでも当てはまる症状がある場合は、罹患している可能性があるため、速やかに当クリニックまでご相談ください。

  • 足の血管が凸凹と過剰に浮き上がって見える
  • 足の血管が風船状、または瘤(こぶ)状に膨らんでいる
  • 足の血管周辺に黒ずみや、色素沈着などがみられる
  • 「こむら返り」が頻繁に起こったり、よく足をつる
  • 足の疲れ、痛み、だるさなどの症状がみられる
  • 足の皮膚に、ただれ、潰瘍、出血の症状が出ている

下肢静脈瘤の症状の分類について

下肢静脈瘤は、具体的には以下の3種類に分類されます。

1:伏在型(ふくざいがた)静脈瘤

大伏在静脈瘤(足首から太ももの内がわ)

伏在型の静脈瘤には、足首から太ももの内側にかけて発症する「大伏在静脈瘤」と、ふくらはぎの後ろから膝の裏にかけて発症する「大小伏在静脈瘤」の2つがあります。これらの症状が進行した場合は、循環障害を起こす恐れがあるので、手術をする必要があります。

2:軽症静脈瘤

網目状静脈瘤/くもの巣状静脈瘤

網目状および蜘蛛の巣状に、青白い血管や赤紫色の血管が細く浮き上がってくる症状がみられた場合は、軽症静脈瘤である可能性があります。軽症と称されているとおり、大きな問題は起こりにくいとされています。
しかし、美容的な観点から軽症静脈瘤であっても治療したいと考える患者様は多くいらっしゃいます。その場合、「硬化治療」を用いて対処することが可能です。また、上記に記載しました「伏在型静脈瘤」が合併して起きていないかどうか、当クリニックでは念のため超音波検査することをおすすめしております。

3:陰部静脈瘤

陰部静脈瘤

陰部静脈瘤は、妊娠および出産を経験した女性にみられる症状で、陰部周辺に静脈瘤を発症したり、生理の際に足が重くなったり、足の痛みが起きたりするという特徴があります。
ただし、これらの症状は例外的に、出産後半年くらいで自然に治る可能性もあるため、経過観察が必要です。それでも改善がみられない場合には、「硬化治療」を行うこととなります。

下肢静脈瘤の検査方法とは

専任の医師が超音波検査を行います

新松戸下肢静脈瘤クリニックでは、「超音波検査(エコー検査とも呼ばれる)」によって、確定診断を行っております。
超音波検査を行う場合には、下肢静脈瘤の専門医が対応する必要がありますが、当クリニックでは血管外科にて豊富な経験を持つ九澤医師が担当いたしますので、安心して検査をお受けいただくことが可能です。

以前は下肢静脈瘤の検査方法として、身体に負担の大きい「静脈造影(注射やレントゲンによって造影を行う手法)」が主流でした。しかし、新松戸下肢静脈瘤クリニックは、身体への負担が少ない「超音波検査」を実施しております。

▼超音波検査の手順
・超音波検査に必要なゼリー状の基剤を塗布する
・皮膚に超音波検査の機器をあてて、静脈の状態を調べる
・検査は10分程度で完了する